今と違う社会システムをつくれば,すべての問題は解決される。著作権? ファイル共有? 海賊版? MSの独占? 現在の社会では解決策は堂々めぐり繰り返すだけだ。必要なのは,革命へのブレークスルー。
フリー・ソフトウェア・ファンデーションのリチャード・ストールマン氏とのディスカッションが開かれた。ストールマン氏の発言。「『フリー』なシステムを改善することは,世界をより自由にすること」「グヌー(GNU)プロジェクトの完成は,あなた方の貢献次第だ。いつできるかということより,我々が自由のためになにができるかが重要」「マイクロソフトは敵だ。他のプロプライエタリなソフトを提供する企業も敵だ。ユーザーから自由を奪うので」。
グヌープロジェクトの創始者であるストールマン(rms)の話をきいていると,パソコンのソフトの話をしているんぢゃないのはいつも感じる。それは,思想だ。そして,新しい社会のシステムであり,資本主義とも当然異なり,また共産主義とも異なる(私的財産は認めている)。ある意味では,グヌープロジェクトが生まれ,ソビエト連邦が崩壊し,資本主義が迷走を繰り返し,ネットワークで「フリー」の概念が興隆を極め,ファイル共有ソフトが社会問題ともなっているのは,同じレールの上の話としても考えられる。
コピーできないソフトウェアなどないし,コピーできない音楽も動画もない。できることなのに,資本主義であぐらをかく人たちは,「するな,するなら牢屋に入れる」という脅しの解決しか口にできず,そもそも矛盾があるのに無茶な言い争いが続くだけになっている。だが,私たちは今,選択を迫られているのかも? と,rmsの言葉を読みながら思う。今の社会とは違う,グヌーに沿った社会システムを,理想としてではなく,考えてみる。
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